
著者 臼井 寛二
前回はトラスト・ベースについて書きましたが、そもそも信頼とは何なのか、まとめてみました。
「信頼」に関しては、20年以上前に読んだ山岸俊男先生(故人・北海道大学名誉教授)の、『安心社会から信頼社会へ』がベストオブベストだと思っています。
それによると、信頼には、
「この人ならやり遂げられる」という【能力】への期待と、 「この人は裏切らない」という【意図】への期待、
といった二つの側面があるそうです。
そして、重要なのは意図への期待でして、相手が裏切るかどうか分からない状況で、それでも期待するということですな。
ちなみに、対になる概念が「安心」で、契約書があるから、長い付き合いだから大丈夫と言ったことがありますが、これは信頼ではなく、制度やルールによって不確実性が低く抑えられた状態にすぎないとのこと。 確かに、裏切られない保証があるなら、そもそも信頼は要りませんね。
面白いと思ったのが、山岸教授の心理実験が示したのは、人を信頼する人≠お人好し、という結果で、むしろ信頼する人は、相手を見抜く力が高いとのこと。 不確実な場所で人に期待する→時に外す→また期待する、、と繰り返すことで、真偽眼が鍛えられるということですね。
信頼とは、不確実な状況の中で、お互いに期待し続ける「能力」である、というお話でした。
